#07 「植物園の決闘」


今日はガッシュと水野を連れて馴染みの植物園に来ている。ガッシュがどこかへ遊びに連れていけと騒いだからだ。
二人はそりゃあもう元気で園に着くなり駆け出し、木には登るわ花壇には入るわ、まるで子供だ。
まあ、ガッシュは子供なんだが。
ここはオレも気に入っている場所だから、楽しそうな二人を見るのは嬉しかった。
「あんた、日曜日に子供に連れ出されたお父さんそのものね」
それはオレも感じていたことだから反論できない。
彼女は木山つくし。この植物園の管理人だ。
それから、
「清麿、紹介するわ。最近入ったバイトの春彦くん」
「ども」
「あ、どーも。こんにちは」
ニット帽をかぶった若者が軽く頭を下げてきて、オレも会釈した。
「それからこっちはスギナちゃん」
「へー……」
変わった格好をした子供だった。頭に葉っぱをかぶっている。
なんだか、雰囲気がガッシュに似てるな……
「弟さん?」
「まあ、そんなもん」
そんなもんじゃない弟ってなんだと思ったが、あまり深く突っ込まないことにした。
「つくしサン、そろそろトレーニングに戻っていいっスか」
「あ、そーね」
「トレーニング?」
その単語に興を覚えて聞いてみた。
若者がめんどくさそうにしているので、つくしがかわりに答えた。
「すごいのよ。二人は呪文を唱えて植物を操ることができるの」
呪文という言葉にオレはぴくりと反応した。
「バイトは、その力を使いこなすトレーニングを兼ねてるってワケ。あんた、お客さんに見せてやったら?」
「はあ」
「あたしはあっちの植物を見てくるから」
と、つくしが去ると、彼はかたわらの子供の頭に手を置いた。
子供はしゃがんで地面に片手をついた。
「……ジュロン!」
ムチが空を切り裂くような音がして、オレの体になにかが巻きついた。
「うあっ!? ――ッ!」
叫びの形に開いた口に、その先端が飛び込んだらしい。
木の皮の匂い――
のどが突き破られる前に動きは止まり、見下ろすと、足元から太いツルが生えていた。それがオレの体を締め上げている。
この子供も魔物だったのだ。
「あ――と。勢いあまって口ン中にまで入っちまった。まだ上手くコントロールできてないな」
のんきに頭なんか掻いてる場合か!
なんとかしてくれ!
「んっ、んん! んー!」
「………」
オレは必死に訴えかけたが、若者はぼんやりと見返しているだけだ。
それが突然、顔を赤らめた。
「……やべえ、なんかムラムラしてきた……」
「ンンッ!?」
「スギナ」
「ああ」
子供がうなずいて、再び地面に手を触れる。
「ジュロン」
ツルに足を強く引っ張られ、オレはがくんとひざを折った。
若者の股間がちょうど目の前に来て、ごそごそとズボンの前を開けた。
「おまえさ……そんなモンより、こっちくわえな」
「ン゛――――――ッッ!」
手が後頭部にかかる。
悪夢のような光景に、オレは思わず目をつぶった。
「コラ」
「痛てっ」
目を開けるとつくしが立っていて、若者は殴られた頭を押さえていた。
「つくしサン……」
「白昼堂々なにやってんの」
た、助かった……
オレがほっと息をつくと、
「そういうのはちゃんと物陰でやんなさい」
おい!
「んー! んー!」
オレが慌てて抗議すると、つくしはきょとんとした顔をしてから、
「――ああ!」
ぽんと手を打った。
「清麿は中学生だから、手加減してやりなよ」
違う!
うつむいてしくしくと泣き出したオレに、つくしはようやく、
「――嫌なの?」
と聞いてきた。
こくりとうなずく。
「だって。どうする?」
「どうすると言われても……じゃあ、コレどうしたら」
「清麿も泣いてることだし、諦めてその辺で処理してきなさい」
「ちぇ……」
若者はつぶやいて、道から外れた茂みのほうへ足を向けた。
イヤ、その前に、これをほどいてから行ってくれ……。
このあとすぐにオレは解放されたが、この植物園に当分来る気になれなかったのは言うまでもない。

(2003.07.21)

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アニメ感想/のっけから森久保さんの荒い息遣いに、あらぬ妄想が頭をよぎる。私の中では自動的に森久保さんの声はオーフェンに変換されてしまうので、清麿が櫻井さんで本当によかった。

「今日こそ友達に……いざ!」いざとか言っちゃうガッシュがたまりません。清麿もそうですが、彼らは武士です。もののふです。影響で最近、「〜しておる」とか口走ってしまい、しまったと思う毎日です。つくしと話す清麿は始終照れくさそうで、感情むき出しで、年相応の男の子って感じでよいですね!普段大人びてるので、たまにこういう普通っぽいところが見られると安心します。

たまに、という点では、ノースリーブで走り回り、戦う姿にすっかりやられました。肩ー!二の腕ー!ちょっとガッシュとおそろい。