「シェリー運命の狂詩曲」 とは、ちっとも関係ない清ガシ。
カウンターに上がってブリを丸ごと食べるガッシュに、板前のみならず店内の客の視線も釘付けだ。
あっという間に骨の見えはじめたブリは、調理場から盗ってきたんだろうが……。
「こんなちっこいのにブリを丸かじりたあ驚いたな。どうだ、うまいか!?」
「ウヌ、うまい! ここはよい店だの」
「そうかそうか」
板前のオヤジは上機嫌でガッシュの頭を撫でたあと、その笑顔を絶やさずにオレのほうを向いた。
「でもこのブリの代金はきっちり体で払ってもらうからな、ボウズ」
「はい……」
「まあとりあえずこっち来て皿洗いでもしてけや」
「お世話になります……」
オレ達は店の奥へ連れていかれ、調理場を通り抜け、実際には一階の半分と二階を占める店長の自宅の風呂の掃除をまかされた。
「これだったら、家の手伝いでやったことがあるな? 皿洗いは冗談。ま、ケジメってやつだ」
「本当にすいません……」
オレは恐縮するしかなかった。
「はっはっは、じゃあな。終わったらかあちゃんに言って帰っていいぞ」
タイルと湯船をこすって流して――掃除は十五分程度で終わり、お袋さんにジュースをねぎらわれたあと、オレ達は店を出た。
「ガッシュ……」
「ヌ?」
「おまえ、食いすぎだよ……」
家に帰ってきたオレは、ベッドに腰掛けてため息をもらした。
「ブリ丸ごとは笑って許してもらえたけど、スシのほうでいくらかかったと思ってるんだ」
「ウヌウ……」
こちらの言い分にガッシュは困ったように眉を寄せ、足もとに寄ってきてオレの両ひざに手をついた。
足の間から見上げてくる。
「ならば私も、清麿に体で払おうぞ」
「プッ……ガッシュ、意味わかって言ってんのか?」
頭の中に、テレビドラマだったかマンガだったかのワンシーンがちらついた。
「この場合、体で払うって言ったら――」
体をかがめたオレは、目の前のいっしょうけんめいな顔に口を寄せた。
ガッシュの唇は小さくてやわらかかった。
しかし、
「――ッ、アハハハハ、ブリくさい……」
オレはおかしくて吹き出してしまった。
さっきあれだけ食ったんだ、無理もない。
「清麿、今のはなんだ?」
「キスだよキス。おまえそんなんじゃ女の子にもてないぞ」
言いながらオレは思いついた。
魔物はみんな魚が好きなようだから、これはこれでうっとりする匂いなのかもしれない。
「クッ、ハハハハ……ダメだ、おかしすぎる……」
よけい笑えただけだった。
「ウヌウ! 清麿だけ楽しくてずるいではないか!」
「わかったわかった。じゃあもう一回な」
今度はガッシュを抱き上げて、オレ達はゆっくりとキスをした。
さっきと違い、相手の体温や体の重みを感じながらの口付けに、体に心地よい痺れが走る。
あ……気持ちいいかも……。
少しぼんやりして顔を離すと、ガッシュは何が楽しいのかわからないといった表情で、おとなしくオレの言葉を待っている。
対してオレは――自分の腰がうずくのを自覚し、顔に朱が差した。
オレばっかり楽しんでるってことか? コレ。
ガッシュには……直接触らないとだめなんだろうな、きっと……。
オレはガッシュをひざに下ろした。
「ガッシュ、ちょっと……マントめくっててくれ」
「ウヌ」
ガッシュは医者にかかるときのように、マントを両手でつかんで持ち上げた。
ひざの上から落ちてしまわないようにガッシュの背を支え、オレは片手で四苦八苦して半ズボンを脱がせた。
ガッシュもオレの手元を見ながら、足を上げて協力をする。
「嫌だったら、すぐ言えよ……」
下をすっかり脱がせてしまうと、そう言い置いて――ガッシュのものに手を触れた。
小さくてやわらかい。
子供の体はどこもかしこもそんな感じだ。
どうしようかと考え、とりあえず二本の指と親指ではさむように持って、くにくにと揉んでやった。
「き、清麿っ……くすぐったいのだ……」
ガッシュはもぞもぞと足をすり合わせた。
片手がオレのシャツのそでをぎゅっとにぎる。
その様子に――かっと頭に血がのぼってしまった。
「ガッシュ、気持ちいいか……?」
声がかすれた。
心臓の音がうるさい。
返事のかわりに手の中でぴくぴくと震えはじめた感触に、オレはガッシュをベッドに座らせ、自分はそこへかがみ込んだ。
ぺろ、と舐めてみてから――口にくわえてちゅうちゅうと吸う。
「ん」
こっちが子供みたいだ――
「あっ、あ――清麿っ……」
「!」
びく、と舌の上で跳ねたものから反射的に身を引いたオレは、出てきた液体をもろに顔に浴びた。
「は……っ」
目を閉じた上にぱたぱたとかかる熱さに、硬直してしまう。
頭の横でガッシュの足ががくがくと震え、いつの間にか小さな手がオレの髪をにぎり込んでいる。
鼻先やほおに飛んだ液体を手の甲でぬぐってから、オレはガッシュのほおにちょいちょい、と触れた。
「大丈夫か?」
「………」
ガッシュが目を開いてオレを見る。
目のふちに涙がうっすら浮いている。
ほおが真っ赤だ。
「……清麿こそ、濡れておるぞ」
「こっ――これはおまえのだろ!」
オレはガッシュのマントでごしごしと顔を拭いた。
「ヌオ!?」
「へへ……」
「ひどいではないかー!」
「いっ、痛て、やめろって!」
ガッシュに攻撃され、オレはたまらず体を起こした。
そういや、ガッシュはこれでイけたからいいけど、オレはどうしたらいいんだ?
「………」
一瞬想像して、オレは真っ赤になってしまった。
マ、マジか……? でも……できなくは……できないかな、やっぱり……
オレはまだぐるぐると考えながらも――いや、考えたからこそ、いてもたってもいられなくなった。
ジーンズの前を開け、ガッシュを正面から抱きしめる。
「ヌォ!?」
落ちかかるマントをまさぐって、そこに指で触れると、ガッシュはびっくりしてオレの顔を見た。
「清麿、なにを――」
「ガッシュ……」
オレは添わせた手を頼りに腰を落とし、ガッシュの足の間に先端をぐっと押し込んだ。
「んっ、ひっ!」
「きつっ……ガッシュ、力抜け……」
ガッシュのそこはとてもせまくて――いや、そもそも入る大きさなのか? ――オレは回した手で小さな背を撫でてやり、歯を食いしばったガッシュを必死になだめた。
オレのものはほとんど中へ入っていけず、先端がわずかに埋まるだけの抜き差しで、くちゅくちゅと濡れた音を立てている。
「はっ……あっ……清麿、痛い……」
「ん……」
訴えを無視する形で、オレはガッシュに覆いかぶさり、腰を使った。
「清麿……清麿ぉ……」
シャツにしがみつく手の力がいっそう強くなる。
オレが動くたびに、開いた足が宙に向かって浮く。
ガッシュの下肢はオレの先走りでずるずると滑り、オレはその助けを借りて、ほんの少し奥へ入り込んだ。
「うっ、ぁ……!」
「ふっ……あっ、あっ……」
ぶるっと震えがきたかと思うと、オレはガッシュの中で出してしまった。
がくがくと腰が砕けたようになって、上半身を支えた腕にも力が入らなくなる。
「むぎゅっ」
「あっ、わ、悪い! ガッシュ、大丈夫か!?」
つい体の力を抜いてしまい、ガッシュを思いきりつぶしてしまった。
オレはガッシュの上からどいて、赤くなったガッシュの鼻を撫でた。
「けほっ……死ぬかと思ったのだ」
「スマン……」
「さっきのも、ものすごく痛かったぞ」
「う……悪いと思ってる……」
「ところで、清麿はなにをしていたのだ?」
ガッシュの無邪気な問いかけに、オレは硬直した。
せ、説明……納得のいく説明をせねば……。
頭がそれはもうぐるんぐるんとハイスピードで回転しているのに、適当な言葉が何も浮かんでこない。
さんざん悩んで――ふと視線を戻すと、ガッシュは目を閉じてすうすうと寝入っていた。
「そっか……疲れたよな」
オレは風呂で体を洗ってやろうと、ベッドのシーツをはいでガッシュを包み、起こさないようにそっと抱き上げた。
(2003.09.11)
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コメント/どんなもんかなー?と、かねてより懸案の清ガシでした。清ガシと言い切るからにはもっとがっつんがっつん清麿が攻めないと!という心の声を裏切った出来上がりです。赤本コンビはプラトニック、いってもキスまでと思っていましたが、アンケートで「ガッシュに入れるのもアリ」と言って下さった人がいたので、思い切りました。思い切りましたよー@@さん!
しかし清麿は馴らすことを知らないと思うので、ガッシュには痛い思いをさせてしまいました…。次はガッシュのリベンジ、清麿が体で払わされる番ということでひとつ。
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